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ECDラボ

新市場でテストマーケティングする、3つのクリエイティブな方法

June 27, 2021

海外進出を目指す上で、現地の市場・顧客の需要・競合他社の存在などの情報収集は欠かせません。また、新商品や日本では既に人気のある自社商品が、どのくらい海外市場で価値があるかを事前に把握することは、日本企業が海外進出を成功させるための重要な要素となります。では、どのような方法で新しい市場でテストマーケティングを行えばいいのでしょうか?今回は、有料のアンケート調査、モバイル市場調査アプリ、委託テスト、フリーランスの市場調査員といった一般的な手法に加えて、より効果が期待できる直接的でクリエイティブなテストマーケティング方法の事例を紹介します。

1. 顧客と直接話す機会を頻繁に設ける

海外進出を検討または進出の過程として、必ず考慮されるのが海外展示会・商談会でしょう。海外販路開拓の有効な手法である一方で、時間・労力・資金がかかります。また、電気機器の見本市である「CES」のように、来場者はある特定のテーマ・業界に既に関心や知識があるケースが多いので、一般消費者からの声は掴みにくい傾向にあります。そこで活用したいのが、ターゲットとなる顧客層が多く居住するエリアで定期的に開催されるローカルイベントです。例えば、食料品の場合はファーマーズマーケット、雑貨や日用品の場合はクラフトフェアやフリーマーケットというように、日常生活に馴染みの深い環境で消費者と直接話すことのできる場を設けることも検討してみて下さい。展示会・商談会に比べて出店料は安い分、いろいろな場所や頻度でテストマーケティングを行うことで、やり方次第では消費者からの生きたフィードバック獲得に繋がります。

2. ランディングページを活用した広告テスト

前述のような現地で行う直接的なアプローチとは対照的に、オンラインでも自社商品の価値を評価する方法があります。特に、越境ECを検討している日本企業にとってはとても有効な手法かもしれません。まずは、テストマーケティング用にランディングページを作成し、そこに計測したい自社商品・サービスの説明などを問い合わせ・購入といったCTAボタンと共に設置します。そして、ヒートマップやアクセス解析ツールなどを使いながら、Google広告キャンペーンを実施し、獲得コストをテストするというものです。さらにランディングページにアンケートを設置することによって、同時に消費者の声を集めることも可能です。自社のECサイトを一から立ち上げたり海外モールに出店する前に行えるため、本番環境では高いコンバージョン率に結びつきます。

3. プロトタイプは完璧を目指しすぎない

新製品の開発、テスト、発売に関するコンサルティングを行う、20年の歴史を持つイノベーションエージェンシー:GrowthEngineの共同創業者であるブライアン・マティモアは、『21 Days to a Big Idea』といった著書の中で、「潜在顧客との興味深い会話を生み出すには、未完成のプロトタイプを使うようにすることが肝」だと強調しています。テストマーケティングを行う際に、出来るだけ発売商品に近い形で公開しなければといった固定観念に囚われてしまいます。しかし、既存のアイデアをさらに洗練させるためには、消費者からの批判や改善の提案が不可欠です。最初から完璧を目指すのではなく、テストマーケティングを行いながらその中で改善のアップデートを何度も繰り返し行っていく柔軟性も必要です。

以上、テストマーケティングに関する3つのクリエイティブ戦略を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?特に海外進出を考慮した製品のテストマーケティングは、事前に現地の文化や風習などを把握するといった面からも、長い目で見れば時間とコストの節約にもつながります。ECDアカデミーでは今回ご紹介した手法以外にも米国での事業拡大に繋げる実践力を高めるプログラムや実売をサポートするプログラムをご用意しています。その他にも、アメリカ消費者調査・市場調査・ベンチマークなど米国進出へのサポートについてご興味のある方は、詳しいご案内を致しますのでこちらからご連絡ください。

 

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